外断熱工法&ルネス工法~住み心地レビュー~

  • 東京都渋谷区田中邸
  • 神奈川県横浜市フェアライフあざみ野(入居者編)
  • 神奈川県横浜市フェアライフあざみ野
  • 東京都杉並区TrRA (ティラ)

東京都渋谷区 田中邸 「外断熱工法+ルネス工法」

田中邸(ルネス神宮前)
東京都渋谷区神宮前
鉄筋コンクリート3階建
外断熱工法+ルネス工法
敷地面積 310.61m²
建築面積 180.12m²
延床面積 612.36m²
賃貸併用住宅
(自宅+賃貸住宅+テナント)
2008年2月2日竣工

渋谷の駅から表参道方向へ少し歩くと、神宮前の閑静な住宅街が広がります。徒歩圏内に賑やかな渋谷の街があるとは思えないほど、ゆったりとした町並み。その中でも、丁寧に手入れされたガーデニングが一際目を引く建物が「ルネス神宮前」です。建物の周りの花や緑がきれいに彩り始めた、初夏の日曜日、田中邸を訪れました。

スッキリ暮らすライフスタイルへ

リビングにあるルネスの床下収納スペース入口そもそもここに住むことにしたのは、お母様の樋浦さんのご実家が近くにあり、お母様は昭和32年からこのあたりに住んでいたから。お母様は結婚されたのち、ご主人の転勤であちこちにお住まいになり、昭和56年にこちらへ戻ってきたそうです。ここにはお母様がご主人と住んでいたご自宅とその裏にご両親が経営していた木造アパートがありました。それらをお母様が相続され、ひとつの土地になったことから、新しく立て替えられたのが現在の建物です。
「転勤族で方々へ参りますと収納が大変なんですね。ですから当時から荷物はできるだけ少なくするよう心がけておりました」とお母様。そうした経験から収納に便利なルネス工法を選ばれたのかと思い、その理由を伸一さんにうかがってみると、意外なお答えが返ってきました。伸一さんが床下収納に興味を持ったのは、仕事の関係でドイツのベルリンに3年間お住まいになったときの経験からだそうです。
エントランス あちらではそれぞれ家の地下などに倉庫があるんです。倉庫にモノをしまい、部屋には必要なものだけ置いてスッキリ暮らすというライフスタイルでした。それは一戸建てにとどまらず集合住宅にも部屋専用のトランクルームが備えられていて、ドイツ人のライフスタイルのようになっていました」蔵書が多く、子供のおもちゃもたくさんあったので、いずれ家をどこかに構えるならまず収納を考えるべきだと感じていたそうです。しばらくするうちに床下収納という手法があることを知り、ネットで「床下収納」と検索したところ、丸二のホームページに行き当たったそうです。
「ホームページにはルネス工法が詳しく紹介されていて、これはモノが多いウチにピッタリだと直感しました。しかも自宅と店舗・賃貸をいっしょにして経営する手法も紹介されていて、床下収納はスペースが広くとれることから賃貸をする上でも有利。これならルネス工法でお母さんの土地に新築しようという結論になり、丸二さんにお願いすることにしました」

賃貸は満室

渋谷区神宮前という絶好のロケーションと、もともとアパートを経営されていたこともあって、当初から賃貸、店舗併用住宅にして長期間安定的な収入を確保し、ローン負担を軽減するとともに固定資産税を節税することを考えてはいたのですが、建築、とりわけ法令等についてよくわからなかったそうです。
はじめ細長い土地だったのでそのまま普通にビルを建ててほしい、できれば5階建てのビルがいいと思っていたそうですが、法令上の関係で3階までしか建てられないことがわかりました。そこでいろいろ相談に乗ってもらったそうです。
「丸二さんには賃貸、店舗併用住宅の実績があったので大変頼りになりました」と伸一さん。賃貸の部分を住居にするか、店舗にするかで迷ったそうですが、地元の不動産屋さんに聞いてみたところ、「この場所だったら住居よりも店舗の方がいい」とすすめられて1階と2階は店舗にすることなりました。その結果、建物は1階が店舗、2階が店舗とお母様を含め家族5人で暮らす自宅。3階が奥様の妹様ご夫婦宅と賃貸2部屋となりました。
テナントも程なく決まり、現在は1Fに歯科クリニック、2Fには美容室が入っています。特に不動産屋さんに「これくらいの間取りなら、2階には美容室が入るんじゃないですか」と言われたそうですが、その通りにすぐ決まったことに驚いたそうです。3階の賃貸住宅も入居者がすぐ決まり、現在満室状態となっています。
「ルネス工法のおかげで収納スペースが広く、ほかの賃貸と比べて明るく開放的な空間となっていることが大きいのではないでしょうか」と美奈子さん。

エレベータを下りるとガラスブロックごしの光に包まれます

しかしルネス工法だけなく、建物の価値を上げるためのさまざまな工夫もされていました。
そのひとつがエレベーター部分の壁に採用されているガラスブロック。これはイタリア・フィレンツェのベトロアレド社のもので、エルメス銀座店で使われているのと同じ素材です。さらに内側からスポットライトで照らせるようになっていて、夕方にはガラスブロックが輝く工夫がされています。こうした外装へのこだわりが建物をより魅力的に見せているのでしょう。

外断熱でカビと無縁の生活

ルネス工法と並んで住み心地を良くしているのが外断熱工法。外断熱工法とは建物の外側を断熱材ですっぽり覆う手法で、壁内部の結露がなく、結露から生じる室内のカビやダニの発生を防いでくれる特長があります。田中邸もこの外断熱工法を採用しました。
「場所的にあまり陽が入るほうではないのですが、冬は寒くないですし、夏も暑くありません。今はこれが当たり前のように感じていますが、住んでいて不満を感じないということは逆に快適だということの証ではないでしょうか。2年間住んでいて朝冷えるとか、カビの心配はまったくありません。」と美奈子さん。
以前住んでいた賃貸住宅はカビが生えやすく、とりわけカーテンなどのカビに悩まされ続けていたそうです。それに比べると今の生活は快適そのもの。もちろん密閉性が高いので、換気には気をつけていて、窓など開けられるときはできるだけ開けて風を通すように心がけているそうですが、部屋だけでなくルネスの中も全くカビがはえないし、家の中がじめっとすることもないそうです。「カビとは無縁の生活になりました」と美奈子さんは大変満足されていました。
さらに生活を快適にしているのが玄関とお風呂場に取り付けた乾燥機&電気ヒーター。これもベルリン時代の経験から採用した設備だそうです。

お風呂場に取り付けられた電気ヒーター。タオルは簡単に乾いてしまいます。

「ベルリンの冬は氷点下になることもしばしばでしたが、玄関にこれがあると冬でも温かくて快適です。また梅雨の季節など雨でぬれたものをかけておくとすぐ乾くのですごく便利。これはいらっしゃった方に大変好評で、よく褒めていただけます。しかも乾かすために一晩中つけていると朝玄関がとても温かくて、でも電気代は安いんですよ」
なんでもこの乾燥機はいま女性に人気なのだそうで、同じものがお風呂場にもついていて、掛けておくだけでタオルを乾かせて、冬場は脱衣所が温かくできるのでとても重宝するのだそうです。

キッチリした担当者のおかげで想いがカタチに

玄関に使用された床材。質感の違いが際立っています。

リビング

玄関の明り部分はスタンドグラスを採用 お母様の和室。掘りごたつの脇にあるのがルネスの床下収納スペース入口

内装を決めるにあたって営業の方から「先にご希望をおっしゃってください」と言われたそうです。そこではじめにお願いしたのは「直線のイメージ」にしてムダなスペースを出さないこと、そしてすべて焦げ茶を基本にしたトーンで構成し、玄関や廊下、リビングは焦げ茶とベージュとグリーンにすること。さらに本棚に扉をつけて、すべて見えなくなるようにすることを求めました。ところが焦げ茶を揃えるのが凄く難しく、当初天然の床材をと思っていたのですが、自然な木の色で焦げ茶はないので断念し、面材や床材の色を揃えるなら、ひとつのメーカーにしないと無理とのことで、すべてナショナルさんで統一したそうです。おかげで見事なまでに統一した色合いが実現できました。小さなところも見逃さず、納得いくまで追求する担当者に恵まれたと美奈子さんは言います。

「担当の方がとてもキッチリしたかたで、すべての角が直角になるよう作ってくれました。裏の都立青山病院の取り壊し工事のとき、振動がひどいので検査にこられた方が
室内を計測されて、どの部分もしっかりと直角になっていていることに驚かれて、素晴らしいと褒めていただけました。専門家が見て驚く精度だったんです」
そのほかカーテンレールを隠したかったので、ボックスを埋め込み天井が高く見えるように工夫したり、担当の方が玄関ドアの上のあかり取り用にきれいなステンドグラスを探してくれたり、シャンデリアの光のひとつをあかり取りの方向を向けて、夜つけておくと外から非常にキレイにみえるようにするなど、細かい部分にこだわりと 個性が発揮されています。
そして伸一さんにはテレビもゆっくり見られる書斎コーナーや、お母様の樋浦さんには掘りごたつ付きの落ち着ける和室など、家族それぞれが思い思いにくつろげる場所を生み出していきました。
「後戻りできないこともあるとのことでしたので、じっくりお付き合いいただけてよかったです」と美奈子さんは振り返ります。

プロが演出したとっておきの場所

廊下の照明は娘さんが選んだエレガントなものに
サンゲツ、ローラアシュレイのコラボのよる出窓

最後にとっておきの場所ということで見せていただいたのがご夫婦のお部屋に作られた出窓。設計士の方に「腰掛けるタイプの出窓がほしい」といって作ってもらったのだそうです。本来ここに出窓を作るのは無理だったとのことですが、そこをなんとかお願いして実現した美奈子さんお気に入りの場所です。
水色のカーテンはローラアシュレイ。ローラアシュレイの方にカーテンに合わせてシートクッションを作ってもらい、壁紙はカーテンに合わせた色をサンゲツの方がチョイスされたとのこと。実はリビングのベージュの壁紙には緑が入っていて、普通に明かりを当ててみるのと、壁紙のそばに観葉植物などの緑を置いてみるのとで色が変わって見えるのだそうです。確かに緑を置くとよりグリーンに見えてきます。その仕事ぶりに美奈子さんは感心しきりでした。
「色のプロは凄いですね。素人では分からないような違いを見分けて、全部調べてくださいました。このカーテンの水色に合う壁紙はこれです、と推薦してくれたのがこの色でした」
お部屋の色彩や調度のホレボレするような見事な調和を見ていると、日本にいることすら忘れてしまいそうです。さらにこだわりは天井にも。
「寝室の天井は間接照明にしました。寝ているときも、天井を照らすこのライトは眩しくありません。しかも天井には模様があった方が凹凸による影ができてキレイなんです、みなさんに協力していただいて、こんなステキな場所ができたことに本当に感謝しています」
ご夫婦はこの2年間忙しくされていたので、出窓でアフタヌーンティをする余裕がなかったとのことでしたが、これからは時間を作っておしゃれな出窓を活用されることでしょう。美奈子さんとっておきの場所からは、初夏に映える生き生きとした緑がのぞいていました。

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神奈川県横浜市 フェアライフあざみ野(入居者編) 「外断熱工法+ルネス工法」

フェアライフあざみ野
神奈川県横浜市
RC造地上5階建
外断熱工法+ルネス工法
敷地面積 2297.73m²
建築面積 968.12m²
延床面積 3289.14m²
共同住宅
2006年2月竣工

ルネス工法と外断熱工法を駆使した賃貸マンション「フェアライフあざみ野」です。
「フェアライフあざみ野」は、良質な住環境の実現と地球環境保護に役立つ建物の実現をコンセプトに建設に臨みました。「素敵な暮らしを送って欲しい」「素敵な世の中になって欲しい」という願いを、「フェアライフ」の言葉に込めたオーナー黒沼さんの想いが形になり、平成18年2月に竣工しました。
今回は、入居者7名の方に3階集会室にお集まりいただき、住み始めて約6ヶ月経った住み心地を、黒沼さんを囲んでの座談会形式でお話いただきました。

【出席者氏名】 【家族構成】 【以前のお住まい】
築比地様ご夫妻 ご夫婦 神奈川県横浜市 賃貸マンション
小澤様 ご夫婦 子供2人 大阪府豊中市 賃貸マンション
斎藤様 ご夫婦 子供3人 兵庫県西宮市 社宅
小田原様 ご夫婦 子供2人 広島県広島市 賃貸マンション
三浦様 ご夫婦 子供2人 神奈川県横浜市 賃貸マンション
池田様 ご夫婦 子供2人 神奈川県横浜市 賃貸マンション
黒沼様(オーナー)    

まずは「フェアライフあざみ野」に入居を決めた理由から、お話を始めていただきました。
(文中敬称略)

「入居の決め手になったのは、環境の良さと内覧説明会」

策比地様ご夫妻築比地 「ここを知ったのは、“ルネス工法と外断熱工法を取り入れた賃貸マンションの工事現場を見に来ませんか”という地域新聞の記事でした。賃貸で工事現場が見られることは非常に珍しく、興味を持ちました。現場見学には参加しませんでしたが、実際にこの場所に何度か訪れて気に入り、申し込みをしました。決め手となった最大のポイントは、モデルルームの公開、そして、その時の説明会で、黒沼さんと建設会社の丸二さんが、どんな想いでフェアライフあざみ野の建設に臨んだかを聞いたことです。賃貸マンションで、ここまで親切丁寧な入居前の対応は初めてでした。」
策比地様ご夫妻 小澤 「大阪からの引越しのため、子供達の転校に際して環境の良い場所を望み、田園都市線の賃貸マンションを探しました。でもなかなか気に入る物件がなく、たまたま工事中の現場を見つけたのがここでした。建設会社の電話番号を控えて帰り、いろいろお聞きしたところ、学校も近く、その他の条件も良く入居を申し込みました。」
斎藤 「インターネット等で多くの物件を探した結果、入居に際してたくさんあったこだわりの条件に一番適ったのがここでした。」
小田原「決めた理由は小学校が近いことでした。申し込みの段階では、かなりいっぱいの状況でしたが、何とか入居できました。住んでみて、良いところがたくさんあり、入居できて良かったと思います。」
三浦 「主人の転勤に伴い、学校環境の良いあざみ野周辺で賃貸マンションを探しました。まず、アウトドア派の子供達のために、公園が目の前にある環境が気に入りました。当初は4LDKが希望でしたが、ここは3LDKでも床下収納が広く設けてありますので、多い荷物の収納も心配することがなく、条件にピッタリとなり入居を決めました。」
池田 「同じあざみ野の賃貸マンションに住んでいましたが、手狭になったので住み替えを考え、1年以上かけて探していましたが納得のいく物件は見つかりませんでした。そんな時、目にしたのがここの建設です。前が公園で、目の届く場所で子供達が遊べること、部屋が広いことなどが気に入り、入居を決めました。」
皆さん3月~4月に入居されました。実際の住み心地はと言うと・・・以前のお住まいと比べながらのお話しが続きます。

「省エネルギーを実感した外断熱、ストレスのない暮らしを実現したルネス」

小田原様小田原 「この夏涼しかったのが一番印象的です。暑い中でも、マンションのエントランスを一歩入るとヒンヤリと感じたのは驚きでした。家の中でもクーラーが要らない程涼しく、特に、夜は全く必要なかったことが、以前の住まいとの一番大きな違いです。」
築比地 「そうですね。僕は暑がりですが、今年の夏はクーラー1台で乗り切れました。“光熱費がとてもお得ですよ”と、内覧会の説明会で丸二さんがおっしゃっていましたが、この夏実感することができました」
小澤 「朝も気持の良い風が入ってきます。緑の多い環境と、このマンションの構造のお蔭でしょうか・・・」
黒沼 「夏涼しかったことは、外断熱工法の効果と言って良いと思います。あとは、冬を経験してどうかということですね。
斎藤 「以前の住まいは冬の結露で苦労しましたが、ここはどうでしょうか?」
黒沼 「外断熱の壁、Low-Eのペアガラスは大丈夫です。ただ、サッシだけがアルミのため冷たくなりますので、結露を起こす唯一の弱点です。理想は、熱伝導率の低い樹脂サッシを使うことですが、日本ではまだ実用的なものがありません。輸入品は厚くて重いので、子供が開け閉めするのが大変です。但し、サッシ枠は間に樹脂を挟んだ枠断熱式を使用していますので、他と比較すると結露は少ないと思います。じつは目に見える結露は拭き取れますが、怖いのが壁内部で結露が発生し、クロスの裏や断熱材がカビだらけになることです。内断熱の壁を壊すと、中がカビで真っ黒になっていること
斎藤様 があります。一時ホルムアルデヒドなどの有害物質が騒がれましたが、アレルギーの原因としては、結露によるカビやダニの発生もあります。外断熱は内部結露がないのでカビやダニの心配がありません。」
三浦 「家族がアレルギーなので、入居時にカビやダニの発生を防ぐ造りであるとか、有害物質のない建材を使用しているなどのお話を聞いて安心しました。ただ通気口からの床下の匂いが気になると言っていますが・・・」
黒沼 「フローリングの下地材に使用した高麗ボードの木の香りです。衝撃も吸収する天然の優れた素材です。通気口を設けた理由は、室内と床下の温度差をなくすためです。外断熱ですから室内の温度が一定に保てます。その時、ルネスの床下も室内と同じ温度になるように、通気口を設けました。」
池田 「24時間換気ですし、設備も分譲マンション以上ですね。」
小澤 「以前も3LDKでしたが、ここは一つ一つの部屋が広く感じます。子供部屋も2つ机を並べて置くことができ、子供達は喜んでいます。兄弟の交流も引出されています。」
黒沼 「内断熱では、躯体の内側に断熱材とボードを貼り付けます。外断熱は躯体の外側に断熱材がきますので、室内はクロスの直貼りで仕上げています。そのため、5~10cm部屋が広くなります。」
三浦様 三浦 「玄関も広いですね。賃貸の玄関は狭くて暗い印象がありますが、ここは光も入り、良い運気が入って来る気がします。また、バリアフリーで出っ張りがないことで、ストレスも感じません。掃除も楽です。」
小澤 「両親が泊まりに来た時、お風呂やトイレまでもがバリアフリーで、手摺りがあるのが気に入り、欲しい所にあるのが嬉しいと、すごく喜んでいました。」
三浦 「私も使っています(笑)。ペーパーホルダーの位置も使い易いです。」
黒沼 「トイレの手摺とペーパーホルダーの位置決めは難しかったです。メーカーの指定位置で実際に試すと使い難く、私と監督と設備屋さんで試行錯誤しました。」
斎藤 「トイレ自体も広いですよね。以前住んでいた所は、ドアを内側に引く形で不便でした。ドアも広く、外側に開くことは使い易いし、安心できます。」
黒沼 「トイレのドア幅は通常60cmですが、70cmまで広げました。一度母がトイレで倒れたことがあり、外へ出すのに苦労した経験がありますので、大きくしました。」
池田 「ドアと言えば、子供部屋や寝室のドアが引き戸なのも良いですね。デッドスペースがなくなり、部屋が有効利用できます。また、以前のマンションは収納スペースが少なく、部屋の中にまで物を置いていました。ここは各部屋の収納も大きく、床下収納もあります。スッキリと暮らせるのでイライラがなくなり、子供にやつ当たりしなくなりました(笑)。入居前は細かな点までは気づきませんでしたが、暮らしてみるとすごいと思う点がたくさんあります」
池田様 小田原 「床下収納で一番助かるのは台所ですが、2歳の子が開けて悪戯することが心配でした。でも、つまみ部分も開け難く工夫されているので安心しました。」
斎藤 「その床下部分が空洞ですが、耐震性は大丈夫ですか?」
黒沼 「それは心配ありません。この建物は逆梁工法で、通常天井に出っ張る梁を床下に持ってきています。床下に潜って中を見ると分りますが、ビーム材という鋼鉄が梁上に固定され、その上にフローリングがしかれています。床が落ちることはありません。通常の建物と比較しても、強度は高いと思います。」
三浦 「主人が、“私が歩くと揺れる”と言いますが(笑)・・・」
黒沼 「ルネスは床下が束のない空間のため、床が微かにタワミを生じることがありますが、衝撃を吸収するので足腰には良いそうです。気になる時は、束を1・2本たてるだけで解消します。」
築比地 「隣の部屋の音はもちろん、ルネスのお陰で上下間の音も気になりませんね。」
小澤 「下に音が響かないことで、子供達にもガミガミ言わなくなりました(笑)。安心して暮らせます。」
外断熱とルネスの効果を実感されている様子が伺えます。そして、暮らしやすさの大きなポイントとなる、コミュニケーションの良さにお話は移ります。

「コミュニケーションの良さが生む、心豊かで良質な暮らし」

ステンドグラスのある集会室 築比地 「黒沼さんがお子さん達と会話を交わすのを目にし、私自身も“おはよう”と挨拶をする様になりました。私達には子供はおりませんが、お子さん達の元気な声を聞くのは心地良いですよ。以前の賃貸マンションでは誰が住んでいるかも分からず、こういう場面はありませんでしたから、安心します。」
池田 「このマンションだけで、小学生が24人いらっしゃるそうです。歳も近いので、親同士が話す機会が自然に増え、コミュニケーションが良くなったのを感じます。」
黒沼 「子供達がとても仲が良いので、お子さんを通じて、私達の中にもコミュニケーションが広がっていきますね。」
池田 「雨の日に子供達はラウンジで遊んでいます。他のお宅にお邪魔するのもチョット気が引ける思いもあるので、助かっています。それにラウンジの美しいステンドグラスに友達も興味を示し、充実した共用部分に“これで賃貸なの、分譲以上ね”と驚いています。」
黒沼 「入居間もなく、ここで食事会を開きました。20人位集まってくださり、自己紹介を兼ねた懇親会となりました。顔見知りになると気持も近くなります。ご年配の方と子供達が仲良く遊ぶ様子も見られます。」
斎藤 「皆さんがいろいろ言葉を掛けてくださり、子供の教育上も助かっています。また、皆のコミュニケーションが良く取れているため、目が行き届き、不審者も入りづらく、防犯面でも安心できます。」
策比地様宅 小澤 「子供にとっての環境も良く、住み心地が良いので“ずっと住み続けたい”と主人も言っています。」
斎藤 「黒沼さんが子供達にもよく声を掛けてくれます。通学時には前に立って交通安全にも気を配って下さったり、マンション前の道路も掃除されたりと、地域のためにも貢献されています。本当に頭が下がります。そんなオーナーさんなので、住人の間でもより良いマンションにしたいという気持ちが自然に育っていきます。」
小田原 「そうですね。そして、私達が考えるよりも先に、黒沼さんが次から次に提案を出して下さるのがありがたいですね。」
池田 「チョットでも困ったことがあると、申し訳ないほどすぐに対応してくれます。先日もベランダの掃除をしたいなどと話をしていたら、即日、掲示板に掃除道具一式無料貸し出しのお知らせがあり、びっくりしました。お陰で網戸から全部きれいになりました。」
小田原 「きれいに使わないと申し訳ないですよね。」
築比地 「駐車場のスペースも非常に広く、洗車スペース、お客様用の駐車スペースまであり、友達も皆羨ましがります。このスペースを部屋にすればオーナーの収益は上がるはずなのに、僕達のために有効利用してくださり、嬉しい限りです。」
斎藤 「黒沼さんからいろいろとお話しを聞くほどに、住む人のことを良く考えられていることが分ります。」
黒沼 「皆さんからお褒めの言葉をいただいて恐縮しています。むしろ私の方こそ、皆さんが和気あいあいと過ごして下さり感謝しています。どんなに良い建物でも、その真価は住まわれる方によって決まるものです。今、心底建てて良かったと思っています。この様な皆さんとの楽しいコミュニケーションの光景を想い描きながら、建設計画を練りました。100%、いいえ120%想い描いた通りの建物になり、加えて、理想の形で皆さんが住んでくださり夢の様です。」

和やかな雰囲気で行われた座談会です。入居者の方からの思わぬ質問にも、分かりやすく対応される黒沼さんの姿勢に、皆さんにより良い暮らしを送って欲しいという気持が伺えます。入居者の方も暮らしやすさを実感し、日々楽しんでいる様子です。
人と自然を大切にする「フェアライフあざみ野」は、今日も生き生きとした佇まいで1日を終えました。

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神奈川県横浜市 フェアライフあざみ野 「外断熱工法+ルネス工法」

フェアライフ(あざみ野)
神奈川県横浜市
RC造地上5階建
外断熱工法+ルネス工法
敷地面積 2297.73m²
建築面積 968.12m²
延床面積 3289.14m²
共同住宅
2006年2月竣工

柿の実が色づきはじめた10月初旬の土曜日、横浜市あざみ野にあるルネス工法と外断熱工法を取り入れた賃貸マンション「フェアライフあざみ野」を訪れました。田園都市線急行で渋谷から20分程ですが、あざみ野の駅を降りると、空は広く、空気も爽やかに感じます。瀟洒なマンションや戸建て住宅が建並ぶ区画整理された街並は、公園や学校も多く、緑豊かな美しい景観となっています。
「フェアライフあざみ野」は、バス通りから側道に入ったなだらかな坂の途中に、ステンドグラスが印象的な表情豊かな佇まいで建っています。地上5階建て、賃貸35戸に加え、集会室、ラウンジのある賃貸専用マンションです。
N棟体感ルームで、オーナーの黒沼様にお話を伺いました。

先祖から受け継いだ土地を活かす

黒沼さんが「フェアライフあざみ野」の構想を具体的に練り始めたのは、5年程前のことです。「昔この周辺は山や農地でしたが、区画整理で市街地となり、畑を続けていくことも難しくなりました。ここも栗畑でしたが、木も古くなり、宅地利用する時期が訪れました。」と、当時を振り返る黒沼さんです。「フェアライフあざみ野」以外にもいくつかの賃貸物件を経営する黒沼さんは、これまでの集大成として「フェアライフあざみ野」の建設に取組みます。「父達が汗水流しながら耕し、大事にして来た土地ですから、それを受け継いでゆく者として個人的利益を求めるのは心苦しく、より価値ある活用を しなければならないと思いました。」とおっしゃる黒沼さん。
この真摯な思いが基盤となり、入居者にとって良質な住環境を創ること、そして自然環境を大切にする建物であることが事業コンセプトとなりました。

あくまでも入居者本位のオーナー

あくまでも入届者本位のオーナー黒沼さん

10年以上前から工法や資材などの情報収集を始めていた黒沼さんですが、その中でまず興味を持ったのがルネス工法です。当時訪れた展示会場で、丸二がルネス工 法を推進していることを知ります。「入居者にとっては、床下も利用できる収納力や、梁の無い空間による採光性や居住性など、様々な面で良質な住環境が実現 します。また、建築主の立場からは、配管などの修繕も容易で100年以上維持できる建物が実現し、無駄な資材を投資することなく、自然環境保護にも役立つ という点が理に適い、ルネスを知った時から採用を決めていました。」とおっしゃいます。
そして、外断熱工法はと言うと・・・「8年程前にある本を読んで、コンクリート建物には外断熱工法が正しいことを確信しました。内部結露を防ぎ、ダニカビの発生がない衛生的な住環境が生まれます。躯体自体も耐久性が向上し、100年以上持つ建物が実現します。」と黒沼さん。さらに、「在来工法に比べ建築コストが若干アップし初期投資は増えますが、100年を見越して考えれば決して高くはありません。何よりも、住む方にとってより良い住環境が生まれること、 多面的効果により省エネルギーが実現することが今回のコンセプトと一致し、外断熱は必要不可欠となりました。」と、説得力のある黒沼さんのお話です。

丸二しか考えられなかった建設会社

ハイサッシで採光豊かな、開放感あるN様リビングダイニング

ルネス工法と外断熱工法が絶対条件となった「フェアライフあざみ野」の建設に当たり、黒沼さんは建設会社選定を開始します。「インターネットを利用したり展示会巡りをしたりして、1年かけて情報を集めました。その結果たどり着いたのが丸二さんでした。ルネスに関しては第一線で取組んでいることを、10年程前に訪れた展示会で知っていました。その会社が外断熱にも取組んでいることをインターネットで知り、丸二本社を訪ねました。」3年程前のことです。「派手さのない本社の建物を見て、質素な職人気質を感じました。専務や社員の話を聞くうちに、研究熱心で新しい物に常に挑戦していく姿勢、良い物をとことん追求して創ろうという気質、また、お客様と一生付き合って行こうという姿勢が読み取れ、ますます気に入りました。」と、丸二への建設依頼を決めた当時の黒沼さんのお話です。
これまでもいくつかの賃貸物件を手掛けた経験のある黒沼さん、大手ゼネコンや地元建設会社を何故使わないのかとの声も周辺からは聞こえてきました。「今回は、一緒に勉強したり、議論したりする中でより良い物を追求しながら建設を進めました。大手ゼネコンの組織体制では、今回の様な細やかで手間が掛かり、建築主と密着した取り組みは無理だったでしょう。」とおっしゃいます。
さて、いよいよ丸二と一体になっての「フェアライフあざみ野プロジェクト」が開始します。

RCB外断熱工法

対面式の明けるく使い易さが追求されたN様キッチン。(Y様はL型キッチン)上屋階でも床下収納が可能なのは、ルネス工法の特長のひとつ

黒沼さんと丸二とで検討し研究したのが外断熱工法です。日本で外断熱の研究と普及に努めているNPO法人「外断熱推進会議」に参加し、ご自身でも勉強されてきた黒沼さんです。そうした中で一番興味を持った工法が、今回の建設で取り入れた“密着湿式RCB外断熱工法”です。「これまでEV外断熱工法には実績のある丸二さんですが、まだまだ色々な方法がありましたので、このプロジェクトにとってベストな工法を皆で試行錯誤しました。1年程かけて検討し、丸二さん からも提案のあった“RCB外断熱工法”を取り入れることに決めました。」と黒沼さん。“RCB外断熱工法”に決めた理由を、分かりやすく解説していただきました。
「湿度の高い日本において外断熱で一番事故が起こりやすいのが、躯体コンクリートから入り込んだ水分が断熱材部分で凍結したり、結露を起こしたりして、外装材にヒビが入ったり変形したりすることです。そこで開発されたのが、防湿効果の高いロックセルボード(炭酸カルシウム発砲板)を断熱材として取り入れた“RCB外断熱工法”です。水蒸気を通し難いロックセルボードを使用することで、内部への水分の侵入を防ぎ事故もなくなる訳です。また、空気層を設けるEV外断熱工法と比較すると、手間やコストも削減されます。」・・・なるほど、納得のいくお話です。そして、「コンクリートは熱容量が大きいので、冬は一度暖まるとその暖かさが持続、また夏は一度涼しくなると冷房を切ってもその涼しさが持続します。温度変化がないことが、快適で健康な生活環境を創ります。コンクリートの特性を活かすには外断熱が不可欠です。」ともおっしゃいます。
「三方一両損で、皆が少しずつ我慢すれば皆が良くなるという考え方が大切です。賃貸物件のオーナーの方には、利回りをチョット犠牲にすればより良い建物ができることをもっと知って欲しい、賃貸マンションでも良質な暮らしができることが広まってくれたら良いと思います。外断熱がもっと世の中に広まってくれるのが私の理想です。」と、含蓄のあるお言葉です。
丸二にとっても初の“RCB外断熱工法”への取組みとなりました。

思い出深い工事期間

手間暇かけて練られた計画がいよいよ形になり、平成17年3月に工事着工となります。「向い側が小学校で、通学路にもなっている場所での工事です。時には大型トラックが50台近く出入りすることもありましたので、子供達に事故がないことを最大限意識しました。」とおっしゃる黒沼さんは、通学時間帯には自らヘルメットをかぶり、子供達を見守っていた様子です。「無事故で無災害、何事もなく無事に終わったのが一番嬉しいですね。」と工事期間中を振り返ります。
床の間、桐の押入れを設け、ルネス工法ならではの掘り炬燵もあるN様の和室。現場事務所には丸二の社員4人が常駐します。「ベテランの所長と経験豊富な監督、そして若手2人のチームワークは素晴らしかったですね。また、職人さん同士のチームワークも良く、丸二さんならではの見事な仕事ぶりで感心しました。」と嬉しいお言葉です。
黒沼さんは、朝一番に現場で行われる朝礼とラジオ体操にも毎日参加されました。そんな黒沼さんの姿を見て、若い職人さん達も次第に一生懸命ラジオ体操に参加する様になり、現場にはひとつの輪ができ始めます。その結果、自分のテリトリーを超えて、道具の貸し借りや荷物運びを手伝う助け合いが生まれました。この現場のコミュニケーションの良さが事故もなく、予定通りの工事進行となり、良い結果に繋がった様子です。「忘年会、新年会などを含め懇親会も4回程開きました。丸二さんの職人さん達は気持の良い方ばかりで、建設時の思い出はかけがえのない財産になりました。今でも職人さん達の顔を思い出します。」とおっしゃる黒沼さん。今も2階のラウンジには、工事中の写真が展示されています。
「フェアライフあざみ野」は、平成18年2月竣工となりました。

入居者内覧説明会

目の前が公園で学校も近く、駅からもバスで数分、歩いても20分弱と好条件の場所にある「フェアライフあざみ野」です。工事中から問い合わせも多かったため、2社の不動産会社を通して事前に情報公開をし、内覧会を行いました。丸二も参加しての説明会も行われ、入居希望者からは、「賃貸でこんな親切な説明会があるのは初めてです。安心して入居を決めることができました。」との声が聞こえ、完成時には入居者全てが決まりました。
「ルネスの床下空間には皆さん驚かれていました。外断熱の効果は住んでみないと実感してもらえませんが・・・共用部分の充実、使いやすい間取り、地域環境の良さなど、トータルで気に入ってもらえたと思っています。」と黒沼さんの感想です。また、マンションのオーナー向けの見学会とセミナーも、行われました。「ルネスと外断熱は、特に賃貸マンションを経営される方にはもっと知って欲しいですね。30年、100年と経って付加価値がはっきり出てくると思います。」とおっしゃる黒沼さんです。

素敵な暮らしが実現するフェアライフあざみ野

では、「フェアライフあざみ野」をご紹介しましょう。エントランス部分の上部は、2階がラウンジ、3階が集会室、4階がラウンジ、5階が倉庫の共用部分となり、その外観はステンドグラスに彩られた美しい搭に なっています。この搭を中心に、東側が「なごみのN棟」、西側が「ゆとりのY棟」と、全35戸の賃貸部分が広がります。
ステンドグラスが美しい吹き抜けになった2階ラウンジ 「共用部分の搭が木の幹で、賃貸部分が幹を中心に生き生きと育ってくれたらという想いを込めた設計です。」と、優しい眼差しで建物を見上げる黒沼さんです。賃貸マンションとは思えない充実した共用部分に驚かされます。「ラウンジや集会所は、入居者の方のコミュニケーションを培う場所です。集合住宅は皆で一緒に暮らしています。仲が良ければチョットした音も不安ではなく、今日も元気だなと安心を感じるはず・・・また、コミュニケーションの良さが防犯にも繋がります。」と黒沼さん。自由に出入りできるラウンジは、子供の遊び場として、大人の井戸端会議の場として、大いに役立っている様子です。そして「集会場はパーティやサークル会場に、行く行くはミニシアターにして子供達を集め、良い映画を見せてあげたいですね。」と、こんな夢も語って下さいました。
暮らしやすさを考慮した広い廊下 さて次は、入居者の住み心地を第一に考えた居室をご紹介します。「100年持つ建物ですから、理想は永住も可能な賃貸マンションです。少子高齢化の世の中にも対応できる二世帯同居型で、世代を超えて永く住み続けられることを念頭に置きました。」とおっしゃる黒沼さん、その結果、床の間を設けた和室もある約76平米の「NAGOMIタイプ」と、田舎から両親を呼んで三世代で暮らすことも可能な様に主寝室を二つ取った約94平米の「YUTORIタイプ」と、2パターンの間取りが生まれました。
「キッチンのシンク位置は使いやすい様に特注し、冷蔵庫置き場のサイズやコンセント位置も、各メーカーのサイズを調べて決めていきました。」と、どこまでも入居者の立場に立って暮らしやすさを追求した黒沼さんの想いが伝わってくる設計が実現しています。入居者は、新婚の方から若いファミリー、おばあちゃまお一人まで家族形態は様々です。「ここの建物を気に入ってくれた方が幅広い世代であることは嬉しい限りです。どの世代から見ても住みやすいと理解してもらえたと実感しています。」と満足な様子の黒沼さんです。
4階エレベーターホール。奥は子供達が宿題をする場にもなる多目的ラウンジ。 「朝子供達が学校に行く時間帯、夜皆さんが帰られる時間帯は、なるべく管理室に居て顔を会わせる様に心掛けています。住んでいる方が皆さん良い方ばかりで、これがまた嬉しい限りです。住む方によって建物は生き生きしてくることを実感しています。」と、心から喜んでいる様子の黒沼さんの想いは入居者の方にも伝わり、「フェアライフあざみ野」は健やかに育っている様です。

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東京都杉並区 TrRA (ティラ) 「外断熱工法+ルネス工法」

TrRA(ティラ)
東京都杉並区
RC造地下1階地上4階建
外断熱工法+ルネス工法
敷地面積 55.19m²
延床面積 186.12m²
共同住宅
B1F・1F 店舗 2F~4F
1R 5戸
2003年6月竣工

お彼岸に訪れた墓前には、ススキ、ケイトウ、秋桜の花が供えてありました。空を流れる雲や涼やかな風に秋の気配が漂います。立秋を過ぎた9月最後の土曜日、杉並区阿佐ヶ谷に建つ賃貸マンション「ティラ」のオーナー玉木さんをお訪ねしました。
今回ご紹介するのは、一人の女性がゼロからスタート、ご自身で土地を購入し、投資用の賃貸マンションを建設されたお話です。

10年間想い続けてきた夢を叶えるチャンス

「ティラ」オーナー玉木さん玉木さんは会計事務所にご勤務、ご自身でもファイナンシャルプランナーの資格を有する30代の女性です。10年程前の入所当初から、お客様の確定申告書を見ては、賃貸マンションの収益が気になっていたとおっしゃいます。当時は金利・地価・建築費の全てが高く、夢のようだった賃貸マンションの取得・・・しかし、ここ数年で不動産価格・金利共に下がり、チャンスがやってきます。「将来働かなくても、お金が入ってくる態勢を作れたら良いというのが正直な動機です。」と玉木さんは笑 いながらおっしゃいます。
4年程前から本格的に計画を思案し、まずは土地を探すことからスタートです。玉木さんのお住まいは阿佐ヶ谷駅から徒歩数分の住宅街にあります。「世田谷、練馬などいろいろな場所を見て回りました。でも初めてのことなので、土地の性格が良く分かっている阿佐ヶ谷周辺がベストだと感じました。」と玉木さん。交通の便の良さを第一条件に、1年かけて探したのが、阿佐ヶ谷駅から徒歩3分の商店街にある土地でした。「融資の申し込みに銀行へも一人で行きました。30代前半のことでしたが、しっかりと計画を伝えれば、きちんと対応してくれます。若いうちだと団体信用保険が使え、銀行も融資がしやすいようです。」平成14年1月、土地購入が実現します。

付加価値を生みだす建築家の設計手腕

「ティラ」の設計を担当したのは、一級建築士事務所「RU・I(アールユー・アイ)」代表の五十嵐徹氏、インテリアプランナーとしても活躍される建築家です。
平成14年3月、友人の紹介で五十嵐氏に出会います。建築に関して全く様子が分からない玉木さんには、相談に乗ってくれる建築家の力が必要でした。実際に五十嵐氏が設計した賃貸物件を何ヶ所か見学、まず洗練された建物のデザインが気に入ります。そして、何度か会う間に色々話し合えることを実感します。「建築には充分な話し合いが必要です。建物が気に入っても、お互いに性格が合わないと厳しいかも・・・」と玉木さんはおっしゃいます。「五十嵐先生にお願いしたのは、周りの建物と差別化できる付加価値の高い設計です。外観の優れたデザインはもとより、入居者が満足できる空間、メンテナンス性の高い頑丈な建物をお願いしました。」と、入居率や維持費も考慮した玉木さんの希望に添って、プランは順調に進行していきます。

困難な場所での工事も無事終了

困難な場所での工事も無事終了

「面倒見の良い五十嵐先生が、面倒見の良い丸二さんを紹介してくださいました。これもご縁です。」と、玉木さんは丸二との出会いを振り返ります。
取得した建物に維持費が掛かり過ぎるようでは、賃貸の収益も見込めなくなります。玉木さんが建設会社選定に当たり重要視したのはアフターサービスです。
「何度か丸二さんに建設を依頼された経験のある五十嵐先生から、アフターサービスの良さをお聞きしました。また、価格の相談にも乗ってくださり、安心してお任せしました。」と玉木さん。平成14年11月、工事着工となります。
古くからの商店街での工事、近隣からの苦言もいろいろあった様子です。「住んでいる場所での建替え工事は、お付き合いのある近隣の方が温かく見守ってくれます。
でも、今回の工事は“よそ者”が入るという周囲の目があり、毎日現場に近隣の方がいらしたり、工事時間帯の制約があったりと大変だった様子です。でも丸二の鈴木常務さんや現場監督が掛け合ってくれたお蔭で、私自身の耳に直接苦情が入ることは一度もありませんでした。感謝しています。」
と玉木さんの言葉です。建物が密集した場所での工事でしたが、丸二から毎月届く工程表に安心感も募りました。
工事は予定通り進行し、平成15年6月、「ティラ」は無事竣工を迎えます。「賃貸物件は事前に入居者の募集も行っていますので、予定工期内の完成は重要なポイントです。」と玉木さんはおっしゃいます。
「安い見積りを出してくる建設会社もあります。でも安いだけでは・・・良い品質とサービスを納得のいく価格で提供してくれることが大切。
そして、長い間積み重ねてきた実績がある建設会社をお勧めします。」と、今回の経験から建設会社選定のアドバイスをいただきました。

入居者も満足している「ティラ」

賃貸戸室内観(竣工時写真、丸二提供)

コンクリートとガラスブロックが印象的な「ティラ」。青空の下では凛とした佇まいを、そして夕暮れ時のライティングの下では、温もりのある趣を感じさせてくれます。
賃貸マンション部分は2階から4階で5戸、全て1ルーム仕様です。完成見学会には入居希望者の方も訪れました。最上階の部屋は人気があり、抽選で入居者を選びました。家賃は周辺物件に比べ高めの設定ですが、募集1ヶ月程で満室になりました。コンクリートの堅固な構造は機密性が高く、駅に隣接した商店街の一画とは思えないほど静かな環境を創り出し、入居者にも好評です。
1階から地下へとつながるスペースは貸店舗です。地下を造ったのは、緩い地盤を考えてより強固な建物にするためでした。飲食店街の中にあるため貸店舗に・・・「でも、失敗だったかな。もっと広いスペースだと大手企業の需要があります。逆に個人のオーナーさんには少し広すぎるし、中途半端になってしまいました。店舗に関してはまだまだ勉強が必要です。」と玉木さん。入居が決まるまで少し時間を要したようですが、今年の9月、個性的な飲食店「ごえん」がオープンしています。

管理会社も不要な丸二のアフターサービス

「五十嵐先生や丸二さんが、今でも親切に面倒を見てくださいます。私一人ではとてもできなかった、まわりの方に恵まれまし た。」と玉木さん。管理会社への委託はせず、ご自分で管理をしています。清掃は杉並区のシルバーセンターへ依頼しています。「週に一度、お掃除をお願いしているのですが、律儀なお年寄りの方で、隅から隅まで拭いてくれます。とても安い賃金なので申し訳ないほどです。」とおっしゃいます。丸二の1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月の定期点検も受け、メンテナンスの良さを実感されています。「こちらが気付かないところまで直してくれます。簡単なことでもすぐに来てくれますし、本当に 助かっています。管理会社への委託も考えましたが、今のところ必要がありません。」と、アフターサービスの良さが維持費の削減にも役立っています。
「もし次があるのなら丸二さんにまたお願いします。今度はルネス工法も考えてみます。」と嬉しい言葉をいただきました。

時代に適応できる不動産投資

時代に適応できる不動産投資「ティラ」が完成して1年3ヶ月が経ちました。玉木さんの初めての不動産投資は順調のようです。「一度経験すると情報の入り方が変わってきますし、いろいろなことが頭の中を巡ります。人に勧めるためにもいろいろとシミュレーションを試みています。」と現在の玉木さんです。
資産設計の専門家であるファイナンシャルプランナーとしての立場からのご意見もお聞きしました。「今の低金利では、預金は収益を生みません。資産を増やすにはお金の運用が必要です。賃貸用不動産への投資は、部屋が空かない限り収入はありますし、物価の上昇にも対応できます。」とおっしゃいます。「賃貸用不動産は、株等の投資と比較すると長期展望が必要です。しかし、無理のない収支計算を行い、充分調査したうえで場所を選定し、運用方法を明確 にしていけば、リスクの少ない投資が実現できます。若い時に気付いて、勉強し、実現させることをお勧めします。自分で働いている限り家賃収入は返済に回せますし、余裕ができた時に繰り上げ返済をしておくと、より安全な資産運用が可能です。」と納得のいくアドバイスをいただきました。
「ごえん」店内仕事を通して知り合ったたくさんの方々から、いろいろな話を伺ってきたのが現在役立っているとおっしゃる玉木さん。ゆっくりと言葉を選んだ解りやすい説明は、興味深いものでした。聞く者に夢と希望を与えてくれるお話、ありがとうございました。
「ティラ」の1階には居酒屋「ごえん」が入居しています。1階はカウンター、地下にはフローリングの床で寛げるスペースがあります。コンクリートの打ち放しを生かした造りは、自分の部屋に居るような気分にさせてくれます。店内に流れるビートルズと、昭和時代のレトロとポップがマッチしたインテリアに、忘れていた時間を取り戻せる気がします。ご馳走になった「牛筋のオリジナルスープ」は、おいしいだけでなく、身体も心も元気にしてくれる温かい味でした。帰りがけにくださった5円玉が入った小さな袋、ここでも人の縁を大切にする 方々に出会えることができました。

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